「へそ展」日記

ひとつの展覧会の裏側には、展覧会を訪れただけでは見えない、さまざまなプロセスと試行錯誤があります。「へそ展」日記は、「へそまがり日本美術ー禅画からヘタウマまで」展、略して「へそ展」に関わるスタッフが、折々に皆さんにお伝えしたいことを発信するブログです。


開幕しました!

本日、「へそ展」が開幕しました。

夏空が広がり、朝から気温が上がった札幌ですが、開館前から並んでお待ち下さるお客様の列に、スタッフ一同、感謝の思いでいっぱいに-。

午前中、本展企画者の府中市美術館学芸員・金子信久さんをお迎えし、「へそまがり日本美術 禅画から家光まで」と題して、90分にわたる熱いご講演をいただきました。

日本の美術史上には、数百年も前から「へそまがり」な感性や精神によって生み出された作品があり、現代にいたるまで、各時代、各地域に点在していること。

その作品を、面白い、楽しいと感じ、受け容れる人々にも「へそまがり」な感性や精神があり、だからこそ「へそまがり日本美術」は連綿と生まれ、伝えられてきたこと。

また、ひとくちに「へそまがり」と言っても、いろいろなタイプがあること。

たとえば、多くの人が好むきれいなものや美しいものではない題材を選ぶ「へそまがり」。

多くの人が好む題材でも、突拍子もない造形や構図をほどこしてしまう「へそまがり」。

さらに、本当は上手いのに下手に見えるように描く、とか、周りがどんな評価をしようと自分はこう描きたいから描くのだ!という、描き方の「へそまがり」。

そんな、多種多様な「へそまがり」供給が、「もっとおかしくて、風変わりで、面白いものを見てみたい」という「へそまがり」需要と響き合ってきた歴史があるのかと思うと、感慨はひとしおです。

そして、「へそまがり日本美術」には、芸術で凝り固まった頭をほぐし、勇気を与えてくれる、といった素晴らしい効能も-。

金子さんのあたたかい言葉で語られる「へそまがり日本美術」の悩ましくも輝かしい魅力は、きっと、誰しもがもっている「へそまがり」な感性にまっすぐ届いたことと思います。

金子さん、ご来場のみなさま、本当にありがとうございました。

たくさんの方々のお力添えをいただき、夏の北海道に上陸した「へそ展」。

一人でも多くの方に楽しんでいただけますように!と、心から願っています。

(北海道立近代美術館、齊藤)

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